「ファイアーエムブレム 聖戦の系譜」に登場する名前の由来を考える
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地名、集団名など

 重要な国名などは北欧神話からのもので、地名もやはり人物と同じく北欧神話がベースといえます。周辺地域はケルト神話の舞台となるアイルランドをはじめ、広くヨーロッパ各地の地名を用いているようです。しかし中には、由来の特定が困難なものもあります。
 特殊なところでは、ケルト神話で白鳥にされてしまう四人(二組の双子)の話がありますが、そのうち二人の名がFE聖戦ではなぜか砂漠に近い城の名として現れます。他には、部隊の名がドイツ語の一般名詞である点が特徴的です。

凡例・参考資料
FEでの名称
由来
alphabet
00 ユグドラル 北欧神話の、世界を支える大樹ユグドラシル。世界樹とも呼ばれ、その枝は全世界に広がる。Yggは主神オーディン、drasillは馬を意味する。 Yggdrasil
00 ユン 北欧神話の豊穣神フレイ(Freyr)の別名ユングヴィ。(ユングヴィ参照) Yngvi
00 グラン フランス北西部の町グランビル。(グランベル参照) Granville
00 ミレトス 小アジア(現在のトルコ)の都市ミレトス。紀元前5世紀、ペルシアに敗れて住民が虐殺された。 Miletus
00 エッダ 北欧神話を伝える文献であるエッダ。詩のエッダと散文のエッダがある。 Edda
00 ダーナ サウジアラビアのダーナ砂漠。北部のネフド砂漠と南部のルブアルハリ砂漠の中間に位置する。他の由来の候補として、ケルト神話のダーナ神族の母神ダーナ(Dana, Danu)がいる。大地の神ダグダの娘とも母ともいわれる。 Dahna
00 グランベル フランス北西部の町グランビル。granはgrandと同じく雄大、壮大さを意味する。他の由来の候補として、イングランドにグラストンベリ(Glastonbury)という町がある。 Granville
00 イザーク 旧約聖書のアブラハム(Abraham)の子イサク。狩猟を営むエサウ(Esau)と、農耕を営むヤコブ(Jacob)の父となる。 Isaac
00 シアルフィ 北欧神話の雷神トールの召使シアルフィ。足が速いが、フギ(思考)との競走に敗れる。 Thialfi
00 ユングヴィ 北欧神話の豊穣神フレイ(Freyr)の別名ユングヴィ。オーディン、トールとともに三大神と呼ばれ、剣と猪と船を所有する。 Yngvi
00 フリージ 北欧神話の、フヴェルゲルミル(Hvergelmir)の泉から出る11本の川のひとつフリーズ。荒れ狂うように走る。他の由来の候補として、北欧神話の主神オーディンの妻はフリッグ(Frigg)。 Hrid
00 ドズル 北欧神話の女神ディース(Dis)の複数形ディシール。戦いの女神ヴァルキリーと同一視されることもある。 Disir
00 ヴェルトマー 北欧でみられる名ヴァルデマル。古北欧語のvalda(支配)とmari(偉大な)からなる。他の由来の候補として、北欧神話の小人フレイドマル(Hreidmar)は息子ファヴニル(Fafnir)に殺されるが、竜となったファヴニルはシグルズに倒される。 Valdemar
00 イード ケルト神話の海神リルの子イード。母イーヴの死後、その妹エヴァに白鳥にされた。他の由来の候補として、イスラムの祭もイード(Eid)。10月の断食明けの祭と、12月の犠牲祭の二つがある。 Aed
00 アグストリア メキシコの皇帝イテゥルビデ(Iturbide)・アグスティン。半年ほどで退位し、国外追放となる。 Agustin
00 ヴェルダン フランス北東部の都市ヴェルダン。ここで843年に結ばれた条約が、フランス、ドイツ、イタリア三国を形成した。他の由来の候補として、北欧神話の運命の女神ヴェルザンディ(Verthandi)は三姉妹の次女で、大樹ユグドラシルを守る。 Verdun
00 マーファ カメルーン西部の都市マンフェ。 Mamfe
00 レンスター アイルランド南東部の地名レンスター。現在のアイルランドはレンスター、マンスター、コノート、アルスターの4つの地域からなる。 Leinster
00 バーハラ 北欧神話の主神オーディンの宮殿ヴァルハラ。戦死者の魂がヴァルキリーによって集められ、戦いに備える。 Valhalla
00 トラキア エーゲ海北東岸、ギリシャとトルコにまたがる地域の名トラキア。 Thrace, Thracia
00 ランスリッター 英語の槍(lance)とドイツ語の騎士(Ritter)を合わせた造語。ドイツ語の発音ではランツェ(Lanze)。 lance Ritter
00 ノディオン 旧約聖書のカイン(Cain)が住んだ地ノド。弟アベル(Abel)を殺した後、ここに移住した。 Nod
00 エバンス イギリスの考古学者アーサー・エヴァンズ。クノッソスで宮殿を発掘した。 Evans
01 ジェノア イタリア北西部の港湾都市ジェノヴァ。コロンブス(Columbus)の出身地でもある。 Genova, Genoa
01 ハイライン スコットランド北部の地名ハイランド。高地や山岳地を表す英語でもある。 Highland
01 クロスナイツ 英語で「十字の騎士団」を意味する造語。ヨーロッパの十字軍のことはふつうクルセイド(crusade)という。 crossknights
01 リボー フランスの軍人ジャン(Jean)・リボー。アメリカで植民地建設を進めるが、スペイン軍によって殺された。 Ribault
02 アグスティ メキシコの皇帝イテゥルビデ(Iturbide)・アグスティン。(アグストリア参照) Agustin
02 シルベール ベルギーの自転車レーサー、シルベール・マエス(Maes)。ツール・ド・フランスに二度(1936年と1939年)優勝した。 Sylvere
02 アンフォニー フランス語で無限を意味するアンフィニ。 Infini
02 マッキリー アラスカにある、北米最大の山マッキンリー。1913年にイギリスのスタック(Stuck)が初登頂。 McKinley
02 シレジア ポーランドとチェコにまたがる地域の名シレジア。18世紀のオーストリア継承戦争で、プロイセンがここを支配した。 Silesia
02 マディノ サウジアラビア北西部の都市マディーナ(メディナ)。マッカ(Mecca・メッカ)に次ぐ、イスラム第二の聖地。 Medina
03 オーガヒル 北ヨーロッパの怪物オーガ(ogre)と、英語で丘を意味するヒル(hill)による造語。 ogrehill
03 エーギル 北欧神話の海神エーギル。船を破壊することもあり、人々から恐れられた。他の由来の候補として、FE聖戦ではエーギルのことを生命力としているため、気力や精力の意味もあるenergyが語源かもしれない Aegir
04 ザクソン ドイツ東部のザクセン州。もとはドイツ西部にいたザクセン人が、現在の場所に移住した。 Sachsen, Saxony
04 トーヴェ フィンランドの小説家トーベ・ジャンソン(Jansson)。ムーミン(Moomin)シリーズの作者。他の由来の候補として、古代ギリシャの都市国家テーバイ(Thebes)、エジプト中王国・新王国の首都テーベ(Thebes)がある。 Tove
04 セイレーン ギリシャ神話の、女の頭と鳥の体をもつ精霊セイレーン。美しい歌声で魅了し、船を難破させる。サイレンの語源。 Siren
04 バイゲリッター ドイツ語でベージュの(beige)騎士(Ritter)を意味する。 beige Ritter
04 リューベック ドイツ北部の都市リューベック。ハンザ同盟の中心として、貿易で栄えた。 Lubeck
05 フィノーラ ケルト神話の海神リルの子フィノーラ。母イーヴの死後、その妹エヴァに白鳥にされた Finola
05 グリューンリッター ドイツ語で緑の(grun)騎士(Ritter)を意味する。 grun Ritter
05 グラオリッター ドイツ語で灰色の(grau)騎士(Ritter)を意味する。 grau Ritter
05 ロートリッター ドイツ語で赤の(rot)騎士(Ritter)を意味する。 rot Ritter
05 ソファラ ブルガリアの首都ソフィア。トラキア人が定住していたが、ローマ人に征服された。 Sofia
06 ガネーシャ ヒンドゥー教の、像の頭をもつ神ガネーシャ。父シヴァ(Shiva)と母パールヴァティー(Parvati)の子とされる。 Ganesha
06 ティルナノグ ケルト神話の常若の国ティルナノグ。別名マグ・メル(Mag Mell)。海の底にあり、永遠の快楽と不死が約束されている。 Tir na n-Og
06 アルスター アイルランド北部の地名アルスター。ク・ホリンなどの伝説が伝わる。 Ulster
07 メルゲン モンゴルの雷神メルゲン。雷の矢を放つ。弓に秀でた者もメルゲンと呼ばれる。 Mergen, Mergane
08 コノート アイルランド北西部の地名コノート。女王メイヴ(Maeve, Medb)がク・ホリンと戦った。 Connacht
08 マンスター アイルランド南西部の地名マンスター。女神アーニェを守護神とする。 Munster
08 ミーズ アイルランド東部の地名ミーズ。現在はレンスターの一部。 Meath
09 カパトギア トルコ東部の地名カッパドキア。火山が形成した独特の地形をもち、多くの遺跡が存在する。 Cappadocia
09 ルテキア フランスの首都パリ(Paris)の古名ルテチア。先住民族パリシィ(Parisii)の名からパリとなった。 Lutetia, Lutece
09 グルティア 黒海沿岸の国グルジア。竜を退治した聖ゲオルギウス(Georgius)の名に由来する。 Georgia
10 クロノス ギリシャ神話の主神ゼウスの父クロノス。自分の子が産まれるたびに食べていたが、末子ゼウスに倒された。 Kronos, Cronus
10 ラドス ギリシャ南東のロードス島。ここにあった巨像が、古代七不思議のひとつとされる。他の由来の候補として、ルーマニアにはLudusという町がある。 Rhodes, Rodhos
10 ペルルーク ブルガリアの都市ペルニク。首都ソフィアの南西に位置する。 Pernik
11 ゲルプリッター ドイツ語で黄色の(gelb)騎士(Ritter)を意味する。 gelb Ritter
11 ヴァイスリッター ドイツ語で白の(weiss)騎士(Ritter)を意味する。 weiss Ritter

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