人物名-前半
人物は、多くのキャラクターがケルト神話を由来としています。 ミデェールとエーディン、ノイッシュとその仲間(神話では兄弟)、キュアンとエスリンなど、神話で現れる人間関係をそのまま、あるいは少し加工してFE聖戦に反映させています。 しかし前半の最重要人物ともいえるアルヴィスやシグルド、またほとんど登場しないながらもやはり重要な位置にいるシギュン、アズムールといった人物は北欧神話からきていると考えられ、これらがFE聖戦のストーリーの核となっています。FE聖戦はいわば、神話のレベルでみれば北欧神話の重厚な世界観を下地に、多彩なケルト神話のエピソードを散りばめたものと考えることもできそうです。 |
00 | ガレ | 北欧神話の主神オーディンが従える二頭の狼のうちの一頭、ゲリ。貪欲を意味する。もう一頭はフレキ(Freki・飢え)。他の由来の候補として、北欧神話のヴァルキリーのひとりゲル(Goll)や、巨人ゲイルロド(Geirrod)の娘ギャルプ(Gjalp)がいる。 | △ | Geri, Gere |
00 | マイラ | ギリシャ神話の、デュオニソス(Dionysus)に愛された娘エリゴネ(Erigone)の犬マイラ。エリゴネは乙女座、マイラは大犬座となる。他の由来の候補として、北欧神話の雷神トールの兄弟メイリ(Meili)がいる。 | △ | Maera, Maira |
00 | アズムール | 北欧神話の雌牛アウズフムラ。氷を舐めて、神々の先祖となるブーリー(Buri)を誕生させる。 | ○ | Audhumla |
00 | クルト | ゲール語で竪琴を意味するクルト。ケルト神話、ギリシャ神話などの神々がよく好んで用いる。他の由来の候補として、ギリシャ神話の運命の女神三姉妹は、クロト(Clotho)、ラケシス(Lachesis)、アトロポス(Atropos)。 | △ | Cruth |
00 | バイロン | イギリスの詩人ジョージ・バイロン。ギリシャで病死した。「チャイルド・ハロルドの巡礼」「マンフレッド」など。他の由来の候補として、FE聖戦でシグルドの父である点と、所持している剣が壊れているという点が北欧神話のシグムンド(Sigmund)と重なる。またFE聖戦でエスリンの父でもある点から、ケルト神話の巨人バロール(Balor)をモデルとする可能性もなくはない。 | △ | Byron |
00 | リング | 北欧神話の、夜明けの神デリング。昼の神ダグル(Dagur)の父。 | △ | Delling |
00 | レプトール | 北欧神話の、フヴェルゲルミル(Hvergelmir)の泉から出る11本の川のひとつレイプト。稲妻のように走る。 | △ | Leipt |
00 | ランゴバルト | 6世紀にイタリアに王国を建てた部族ランゴバルト。東ローマ帝国を侵略するが、8世紀にフランク王国に滅ぼされた。 | ○ | Langobard |
00 | アルヴィス | 北欧神話の賢者(小人)アルヴィス。神のための武器を作るが、雷神トールによって石化されてしまう。 | ○ | Alvis |
00 | クロード | フランスの文化人類学者クロード・レヴィ・ストロース(Levi Strauss)。神話の研究に大きな影響を与えた。 | △ | Claude |
00 | ガンドルフ | 北欧神話の小人のひとりガンダルフ(ガンダルヴ)。他の由来の候補として、指輪物語などに登場する魔法使いガンダルフ。 | ○ | Gandalf |
00 | エーディン | ケルト神話の、コノート王国の王アリルの娘エーディン。ミディールと結婚するが、最初の妻フォーヴナハ(Fumnach)に嫉妬され、蝶にされる。 | ○ | Etain |
00 | シグルド | 北欧神話の英雄シグルズ(ジークフリート)。主神オーディンの子孫。父の形見でもあるバルムンクで、邪龍ファーヴニル(Fafnir)を倒した。その後王女グズルーン(Gudrun)と結婚するが、かつての恋人ブリュンヒルド(Brynhild)は夫グンナル(Gunnar)にシグルズを殺させ、ブリュンヒルドも自害する。 | ○ | Sigurd, Siegfried |
00 | ミデェール | ケルト神話の地下の神ミディール。大地の神ダグダ(Dagda)の子。妖精の丘の王で、魔法の牛と釜をもつ。 | ○ | Midir |
00 | ノイッシュ | ケルト神話の騎士ノイシュ。ディアドラを愛するが、コノール(Connor)王に殺される。ウシュナハ(Usnach)の長男。 | ○ | Naoise |
00 | アレク | ケルト神話の騎士アンリ。ウシュナハ三兄弟の次男。兄弟とともに、「赤枝の騎士団」に属する。 | ○ | Ainle |
00 | オイフェ | ケルト神話の女戦士。ク・ホリンに敗れ、彼の子コンラ(Conlaoch)を産む。 | ○ | Aoife |
00 | アーダン | ケルト神話の騎士アーダン。ウシュナハ三兄弟の三男。兄弟とともに、「赤枝の騎士団」に属する。 | ○ | Ardan |
00 | ゲラルド | ケルト神話の、ゲラルド伯爵。貴族デスモンド(Desmond)と女神アーニェ(エスニャ)の子で、今も白馬に乗って湖に現れるという。 | ○ | Gerald |
00 | デマジオ | アメリカの野球選手ジョー・ディマジオ。女優マリリン・モンローと結婚し、離婚する。 | ○ | Dimaggio |
00 | アゼル | ペルシャ語で火を意味するアゼル。カスピ海沿岸の国アゼルバイジャン(Azerbaijan)の語源とする説もある。他の由来の候補として、アーサー王伝説の、アーサーの父ウーゼル・ペンドラゴン(Uther Pendragon)が挙げられる。これはFE聖戦でアーサーの父になる(可能性がある)という点で一致する。また、ケルト神話のエオヒド(Eochaid)王の弟アリル(Ailill)(エーディンの父とは別人)は、エーディンを愛するというエピソードが一致する。その他、ヘブライの堕天使アザゼル(Azazel, Azel)は発音が近い。 | △ | Azar |
00 | レックス | ラテン語で王を意味するレックス。他の由来の候補として、北欧神話にレック(Rekk)という小人がいる。 | △ | rex |
00 | キュアン | ケルト神話の医術の神ディアン・ケヒト(Dian Cecht)の子キアン。敵対するトゥレン(Tuireann)の息子たちに殺される。 | ○ | Cian |
00 | エスリン | ケルト神話の巨人バロール(Balor)の娘エスリン。孫に倒されると予言されたバロールによって幽閉される。 | ○ | Ethlinn, Ethniu |
00 | フィン | ケルト神話の英雄フィン・マックール。「知恵の鮭」を食べて賢明になる。その後、怪物を退治した功績で王に取り立てられ、フィアナ騎士団を率いるようになった。フィンは「白」を意味する。 | ○ | Finn mac Cumhaill |
00 | エルトシャン | フランス語で「彼らは歌う」を意味するイル・シャント。FE聖戦のエルトシャンの異名獅子王のモデルとしては、イングランドのリチャード(Richard)獅子心王が考えられる。 | △ | ils chantent |
00 | アンドレイ | イエス・キリストの十二使徒のひとりアンデレ。兄ペテロ(Peter)とともに漁師だったが、イエスの弟子となる。 | △ | Andrew |
01 | バトゥ | チンギス・ハン(Genghis Khan)の長男ジュチ(Jochi)の子バトゥ。ロシアを破り、キプチャク・ハン国を建国する。 | ○ | Batu |
01 | キンボイス | ケルト神話の、アルスターの王キンヴォイス。戦いの女神マッハに結婚を強いられる。 | ○ | Cimbaoth, Kimbay |
01 | ジャムカ | モンゴルの武将ジャムカ。チンギス・ハンと同盟を結ぶが後に対立し、捕らえられて刑死した。 | ○ | Jamuka |
01 | アイラ | ケルト神話の愛の女神アーニェ。海神マナナン・マクリルの妻または娘とする説がある。 | ○ | Aine |
01 | シャナン | ケルト神話のシャノン(Shannon)川の女神シャナン。海神マナナン・マクリルの娘(または孫)。 | ○ | Sinann |
01 | デュー | ケルト神話の竜デューイ。赤い竜の姿がウェールズの紋章として使用されている。 | △ | Dewi |
01 | ブリギッド | ケルト神話の火の女神ブリジッド。大地の神ダグダの子。アイルランドにキリスト教が入ってからも聖女として祭られた。 | ○ | Brigid |
01 | エリオット | イギリスの詩人トマス・S・エリオット。代表作に「荒地」「聖灰水曜日」など。 | △ | Eliot |
01 | マナナン | ケルト神話の海神マナナン・マクリル。リル(Lir)と同一視される。マナナンの名は現在のイギリスのマン島(Isle of Man)と関連がある。 | ○ | Mannanan Mac Lir |
01 | マクリル | ケルト神話の海神マナナン・マクリル。マクリルは海(Lir)の息子(Mac)を意味する。 | ○ | Mannanan Mac Lir |
01 | ディアドラ | ケルト神話の悲劇の女性ディアドラ。愛するノイシュをコノール(Connor)王に殺され、馬車から身を投げて自害する。二人の墓からはそれぞれイチイの木が生え、絡み合い離れなくなったという。 | ○ | Deirdre |
01 | サンディマ | ヨーロッパの、眠りを誘う妖精サンドマン。魔法の砂をかけて、人を眠らせる。 | ○ | Sandmann |
01 | マンフロイ | バイロンの詩「マンフレッド」の主人公マンフレッド。自問自答を繰り返しつつ、精霊や悪魔と関わりあうようになる。 | △ | Manfred |
01 | シギュン | 北欧神話の悪戯の神ロキの妻シギュン。神々に捕縛されたロキに付き添い、蛇の毒から救った。 | ○ | Sigyn |
01 | ロプトウス | (十二聖戦士の闇魔法ロプトウス参照) | ○ | Loptous |
02 | イムカ | 日本の九州地方南東部の地名、日向(ヒュウガ)の古称ヒムカ。日本神話の舞台のひとつ。 | △ | Himuka |
02 | シャガール | ロシアの画家マルク・シャガール。幻想的な作風で知られる。 | ○ | Chagall |
02 | ラケシス | ギリシャ神話のモイラ(Moirae・運命の女神である三姉妹)の一人ラケシス。運命の糸の長さを決める役目をもつ。 | ○ | Lachesis |
02 | ボルドー | フランス南西部の港湾都市ボルドー。紀元前300年頃にケルト人が建設した。ワインが有名。 | ○ | Bordeaux |
02 | イーヴ | ケルト神話の海神リルの妻イーヴ。アイヴ(Aeb)と呼ぶこともある。フィノーラ(Finola)、イード(Aed)、フィアクラ(Fiacra)、コーン(Conn)の四人を産んで死ぬ。 | ○ | Eve |
02 | エヴァ | ケルト神話の海神リルの妻エヴァ。アイフェ(Aife)と呼ぶこともある。姉イーヴの死後、四人の子らを白鳥に変えてしまう。 | ○ | Eva |
02 | アルヴァ | ゲール語でスコットランドを意味するアルバ。ケルト神話で白鳥にされた四人は、アルバとエリン(Erin・アイルランドのこと)の間の海で三百年過ごす。 | △ | Alba |
02 | ホリン | ケルト神話の英雄ク・ホリン(クーフーリン)。スカアハから魔槍ゲイボルグを授かる。 | ○ | Cu Chulainn |
02 | フィリップ | イエス・キリストの十二使徒のひとりピリポ。最後の晩餐で神の存在を疑い、イエスにたしなめられる。 | △ | Philip |
02 | マクベス | 11世紀のスコットランドの王マクベス。ダンカン(Duncan)を殺害して王位についた。シェイクスピア悲劇のモデル。 | ○ | Macbeth |
02 | クレメント | ローマ教皇クレメンス1世。第4代(または第3代)教皇で、コリントの紛争に介入した。 | △ | Clement |
02 | ヴォルツ | イタリアの物理学者アレッサンドロ(Alessandro)・ヴォルタ。電圧の単位ボルト(Volt)の語源となる。 | △ | Volta |
02 | ベオウルフ | 北欧を舞台とした英雄物語の主人公ベーオウルフ。怪物グレンデル(Grendel)を倒すが、龍との戦いで相打ちとなる。 | ○ | Beowulf |
02 | レヴィン | 旧約聖書ヤコブ(Jacob)の12人の息子の1人レビ。祭司の家系であるレビ族の祖となる。 | △ | Levi |
02 | シルヴィア | ローマ神話の巫女シルヴィア。戦いの神マルスの子である双子、ロムルス(Romulus)とレムス(Remus)を産む。 | ○ | Silvia |
02 | フュリー | 英語で妖精を意味するフェアリー。ドイツ語ではフェー(Fee)。他の由来の候補として、アイルランドの宮廷詩人を意味する語フィリ(fili)。彼らは学者と法律家も兼ね、ドルイド(druide)の位階制の頂点に立った。 | △ | fairy |
02 | フィラート | ロシアのロマノフ朝初代皇帝ミハイル・ロマノフの(Mikhail Romanov)父フョードル。出家してフィラレートと名乗った。 | △ | Filaret |
02 | ラーナ | ヒンディー語で王族を意味するラーナ。19世紀のネパールで使用された。他の由来の候補として、北欧神話の海神エーギルの妻ラーン(Ran)は航海者を溺死させる網を持っている。 | △ | Rana |
02 | ザイン | ヘブライ語の7番目の文字で、ローマ字のZに相当するザイン。 | △ | zayin |
03 | ジャコバン | 旧約聖書のイサクの子ヤコブ。次男でありながら長子の祝福を得て、ユダヤ人の祖先となる。フランス革命時の政治クラブであるジャコバン(Jacobin)は、ヤコブの名に由来する。 | △ | Jacob |
03 | ドバール | ケルト神話の、シチリア島の王ドバール。海の上も走れる馬車を持つ。トゥレン三兄弟がこの馬車を求めて旅をした。 | ○ | Dobar |
03 | ピサール | ケルト神話の、ペルシアの王ピサール。血に飢えた槍を持つ。トゥレン三兄弟がこの槍を求めて旅をした。 | ○ | Pisear |
03 | セリス | ケルト神話の水の女神スリス。ローマ神話のミネルヴァ(Minerva)(ギリシャ神話ではアテナ(Athena))と同一視されることもある。他の由来の候補として、ヒンドゥー教の女神サラスヴァティ(Sarasvati)はサンスクリット語で「流れる者」を意味し、sarasには水や池の意味がある。ちなみにブラフマー(Brahma)とサラスヴァティとの関係は、旧約聖書のアブラハム(Abraham)とサラ(Sarah)に対応するとする説がある。 | △ | Sulis |
03 | ティルテュ | アイルランドの、フィルボルグ族の女神ティルテュ。森を開墾して人々を飢餓から救うが、過労で命を落とす。 | ○ | Tailtiu |
03 | トラバント | ドイツ語で衛星、従者を意味するトラバント。旧東ドイツ製の車の名として有名。 | △ | Trabant |
03 | パピヨン | フランス語で蝶を意味するパピヨン。犬の一種であるパピヨンは、耳の形が蝶に似ていることから。 | △ | Papillon |
03 | アルテナ | ドイツの都市アルテナ。アルテナ城は1912年、世界初のユースホステル(会員制宿泊施設)となった。 | △ | Altena |
03 | マーニャ | イエス・キリストの母である聖母マリア(Maria)。女子の名Mariaの愛称としてロシアではManyaと呼ぶことがある。 | △ | Manya |
04 | ダッカー | ケルト神話の神アヴァータ(Abarta)の別名ギラ・ダッカー。フィアナ騎士団と行動を共にする。 | ○ | Giolla Deacair |
04 | マイオス | エジプト神話の、猫の女神バステト(Bastet)の子Mihos。ライオンの姿、または頭部のみライオンの姿をしている。別名Maahes, Mahes, Mios。発音は不明。 | △ | Mihos |
04 | ディートバ | ケルト神話の、アルスターの王ディトーバ。弟キンヴォイスの妻となるマッハに殺される。 | ○ | Dithorba |
04 | クブリ | アメリカの映画監督スタンリー(Stanley)・キューブリック。「2001年宇宙の旅」、「時計じかけのオレンジ」など。 | △ | Kubrick |
04 | パメラ | イギリスの小説家リチャードソン(Richardson)が作った名パメラ。1740年の小説「パメラ」の主人公。 | △ | Pamela |
04 | ドノバン | ケルト系の名前ドノバン。dark warrior(黒ずんだ肌の戦士)を意味する。 | △ | Donovan |
04 | レイミア | ギリシャ神話の蛇の怪物レイミア。ゼウスの愛人となるが、嫉妬したヘラによって子を殺され、発狂して怪物となった。 | ○ | Lamia |
05 | ヴァハ | ケルト神話の戦いの女神マッハ。キンヴォイス王の妻、農夫クルンチュー(Crunnchu)の妻などとして現れる。 | ○ | Macha |
05 | アイーダ | ヴェルディ(Verdi)作曲のオペラ「アイーダ」の主人公アイーダ。敵国の将軍を愛した王女の物語。 | △ | Aida |
05 | スレイダー | クトゥルフ神話創始者ラヴクラフト(Lovecraft)の小説「眠りの壁の彼方」の登場人物スレイダー。隣人スレイター(Slater)に殺される。 | △ | Slader |
05 | ダナン | ケルト神話の、母神ダーナ(Dana, Danu)の一族の総称トゥアハ・デ・ダナン(Tuatha De Danann)。他の由来の候補として、ケルト神話でノイシュら三兄弟を殺したドルイド僧の名もダナン。 | △ | Danann |
05 | リーフ | ケルト神話の太陽の神ルー(ルフ)。キアンとエスリンの子で、ク・ホリンの父。キアンを殺したトゥレン三兄弟に試練を与えて死に至らしめ、エスリンの父バロールを投石機で倒した。 | ○ | Lug, Lugh |
05 | マゴーネ | カルタゴ(Carthage)の将軍ハンニバルの弟マゴ。兄とともにローマと戦うが、傷を負って船上で死ぬ。 | ○ | Mago, Magon |
05 | アレス | ギリシャ神話の戦いの神アレス。主神ゼウス(Zeus)とヘラ(Hera)の子。好戦的で神々に嫌われたが、美の女神アフロディテ(Aphrodite)の愛人になる。ローマ神話ではマルス(Mars)。 | ○ | Ares |
05 | リーン | 北欧神話の女神フリッグの三人の侍女のひとりリン(フリーン)。フリッグと同一視する説もある。 | △ | Hlin |