「ファイアーエムブレム 聖戦の系譜」に登場する名前の由来を考える
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十二聖戦士とその武器+α

 FE聖戦のシステムの特徴である「血縁」の源流となる十二聖戦士は、ほとんどが北欧神話を題材としています。これにより、その血をひく多くの主要キャラクターから、北欧神話の神々の姿を垣間見るという楽しみ方もできます。例えばトードの血をひく戦士に雷神トールの面影をみる、バルドやヘズルの血をひく者たちの運命をバルドル、ヘズの兄弟神に重ね合わせる、といった見方ができるでしょう。北欧神話にみられる勇壮な神々、融和から対立、最終戦争といった展開はFE聖戦のストーリーに大きな影を落としています。

凡例・参考資料
FEでの名称
由来
alphabet
聖者ヘイム 北欧神話の、神々の守護者ヘイムダル。角笛を吹いてラグナロク(最終戦争)の到来を告げ、ロキと相打ちになる。ヘイムは「世界」を意味する。 Heimdall
聖戦士バルド 北欧神話の光の神バルドル。ロキの計略により、兄弟である盲目の神ヘズの投げたヤドリギの枝にささって死ぬ。 Baldur
弓使いウル 北欧神話の弓とスキーの神ウル。雷神トールの妻シフ(Sif)の息子。オーディン不在の約十年だけ王座に就く。FE聖戦第五章のアンドレイとブリギッドの会話では、ウルではなくウリルと呼んでいる。 Ull, Ullr
魔法騎士トード 北欧神話の雷神トール。オーディン、フレアとともに三大神と呼ばれる。豪放な性格で、怪力を誇る。FE聖戦第四章の村人は、フリージ家に力を与えたのは雷神トールだと言っている。 Thor
斧戦士ネール 北欧神話の小人ナール。狼フェンリルを拘束する足枷グレイプニルの製作者の一人。他の由来の候補として、北欧神話に、夜(または夜の父)である巨人ネルがいる。 Nar
魔法戦士ファラ 北欧神話の、雄鶏フィアラル。ラグナロク(最終戦争)の到来を巨人達に告げる。他の由来の候補として、北欧神話のクヴァシル(Kvasir)を殺す小人フィアラル(Fjalar) 女神フリッグ(Frigg)の侍女フッラ(Fulla)がいる。 Fjalar
大司祭ブラギ 北欧神話の詩の神ブラギ。若さの女神イドゥン(Idun)の夫。舌にルーン文字が刻まれており、雄弁である。 Bragi
剣聖オード 北欧神話の、愛の女神フレイア(Freya)の夫オード。フレイアを残して旅に出る。主神オーディンと同一視されることもある。 Od
黒騎士ヘズル 北欧神話の、冬と盲目の神ヘズ(ホズ)。兄弟であるバルドルの死の責任を問われ、ヴァーリ(Vali)に殺される。 Hod, Hodr
槍騎士ノヴァ 北欧神話の、ロキの子ナルヴィ。ロキの罪を罰するため、神々によって狼にされる(または狼に引き裂かれる)。他の由来の候補として、ラテン語で「新しい」を意味するノヴァ(nova, novus)があるが、この場合FE聖戦の「新トラキア王国」にかろうじて関連性が見いだせるか。 Narvi, Narfi
竜騎士ダイン 北欧神話の小人ダーイン。狼フェンリルを拘束する足枷グレイプニルの製作者の一人。他の由来の候補として、北欧神話の大樹ユグドラシルの葉を食い荒らす四頭の雄鹿のうちの一頭ダーインがいる。FE聖戦第八章の村人は、ダインではなくディーンと呼んでおり、「トラキア王国は竜騎士ディーンがおこした」「レンスター王国の祖先である聖騎士ノヴァはディーンの妹」と言っている。 Dain
風使いセティ 北欧神話の、正義と真実の神フォルセティ。バルドルとナンナの息子。バルドルの唯一の欠点とされた、裁きの不安定さを補った。 Forseti
       
暗黒神ロプト 北欧神話の悪戯の神ロキ。神々と共に行動するがやがて敵対し、幽閉される。その後ラグナロク(最終戦争)で巨人族を率い、神々をほぼ滅亡させる。 Lopt, Loptr, Loki
       
光魔法ナーガ サンスクリット語で蛇、竜を意味するナーガ。一般的には蛇の神格化したものが竜で、西洋では悪の象徴とされる。 naga
聖剣ティルフィング 北欧神話の主神オーディンが、子孫である王から受け取った剣ティルフィング。鞘から抜けば必ず一人の命を奪い、持ち主も傷つける。 Tyrfing
聖弓イチイバル 櫟(イチイ・一位)の木と、古代の石弓(弩)を意味する英語バリスタ(ballista)を略したbalによる造語。「バル」については、英語で弓を意味するbow(ボウ)、ゲール語で弓を意味するbogha(バウ)、ゲール語で木や金属の棒を意味するbarra(バル)などを由来とする可能性もある。 ichii-bal
雷魔法トールハンマー 北欧神話の雷神トールが持つ鉄槌トールハンマー。別名ミョルニル(mjollnir)。敵に投げつけて倒した後、手元に帰ってくる。 Thorhammer
聖斧スワンチカ サンスクリット語で卍(まんじ)を意味するスワスチカ。北欧のヴァイキング時代において、卍形と斧との関連が考えられる。神話・伝承事典(大修館書店)には「スカンジナヴィアの貨幣に刻まれた同じような左旋まんじは、トールのハンマーのしるしであった」との記述がある。 swastika
炎魔法ファラフレイム ファラと、英語で炎を意味するフレイム(flame)による造語。(ファラについては魔法戦士ファラ参照) Fjalarflame
聖杖バルキリー 北欧神話の戦いの女神ヴァルキリー(ワルキューレ)達。戦死者をヴァルハラ宮殿に運び、オーディンの戦士とする。 Valkylies
神剣バルムンク 北欧神話の英雄シグムンドが主神オーディンから授かった剣バルムンク。別名グラム(Gram)。息子シグルズが竜退治に使用した。 Balmung
魔剣ミストルティン 北欧神話の、光の神バルドルを殺した剣(槍)ミストルティン。彼を傷つける唯一の武器として、ロキがヤドリギの枝を加工したもの。 Mystletainn
地槍ゲイボルグ ケルト神話の英雄ク・ホリンが、女神スカアハから授かった槍ゲイボルグ。ク・ホリン自身を貫いて絶命させたのも、この槍だとする説がある。 Gae Bolg
天槍グングニル 北欧神話の主神オーディンが所持した槍グングニル。小人が作り、持ち帰ったロキがオーディンに献上した。 Gungnir
風魔法フォルセティ 北欧神話の、正義と真実の神フォルセティ。(風使いセティ参照) Forseti
       
闇魔法ロプトウス 北欧神話の神ロキを意味するロプト(Lopt)と、その特徴を有することを示す接尾語ousによる造語。 Loptous
闇魔法ヘル 北欧神話の神ロキの子で、冥府の女神ヘル。死んだバルドルが生還することを拒否する。 Hel
闇魔法フェンリル 北欧神話の神ロキの子である狼フェンリル。最終戦争で主神オーディンを飲み込む。 Fenrir
闇魔法ヨツムンガンド 北欧神話の神ロキの子である大蛇ヨルムンガンド。最終戦争で雷神トールと相打ちになる。 Jormungand

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